「マリアビートル」伊坂幸太郎 を読んで
おばんです。
リーゼントしゃぼん玉です。
三連休だったので、もう一冊読んでしまいました。
雨の日の読書は、気分上がりますね。
伊坂幸太郎さんの、マリアビートルを読みました。
★あらすじ★
物騒な奴らが再びやってきた! 三年ぶりの書き下ろし長編登場!!
酒浸りの元殺し屋「木村」。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」「檸檬」。運の悪い殺し屋「七尾」。物騒な奴らを乗せた新幹線は、北を目指し疾走する! 『グラスホッパー』に続く、殺し屋達の狂想曲。
いいでしょ。グラスホッパー好きなら、そりゃ楽しいよね。
価格:836円 |
★感想★
登場人物に、王子ってやつが出てくるんだけど、こいつがまたとんでもなく「悪」なんだ。
村上春樹の作品に出てくる絶対的な悪って、こういうやつだよ。
読み心地は、さすが伊坂幸太郎作品、スピード感があってハラハラして面白い。
あれ?と止まってしまう個所はほとんどなく、どんどん読めます。
情景が浮かんでくる。
非日常観をサクッと味わうのに、とてもおすすめの本です。
王子のせいで、爽やかにはならないよ。
★雑感★
現実世界にも、王子はたくさんいる。
みんなも気を付けてほしい。
読んでいると、おそらく、北九州監禁殺人事件を思い出す。そんな登場人物が王子だ。
不機嫌な表情や、評価を下す言葉で、相手を操ろうとするやつだ。
北九州監禁殺人事件はwikiで読める。が、心が丈夫な時に読んでほしい。
疲れてるときに読むと、持っていかれる。気とか、エネルギーを。要注意。
王子みたいな人は、世間に結構いる。
それ、ダサいね。って言ってくる人いるでしょ。
そういうこと言うのうざい、とか。舌打ちとか、無視とか。
そういう言動を道具にして、相手を自分の思い通りに動かそうとする人っていうのは結構いる。
ぼくの高校は、自称進学校で、言動による人心掌握が結構うまいやつがいた。
要領がいいんだろう。失敗の目立たないやつだった。あいつの言うとおりにすれば、うまくいくという漠然とした空気をまとっていた。
ダサいとか、無視とかを駆使して、自分の思い通りの話の流れに持っていくのがうまいやつだった。
そいつは、最初は少数を排他的に扱って、仲間内で盛り上がるんだけど、仲間を一人ずつ贄にしてコミュニティを維持するから、三年もたつと、周りに少ししか人が残ってなくて、見てて寂しいやつになったんだよね。
でもそれは、高校っていうクローズな空間でのことだから、社会に出た彼は、一層鱗粉をまき散らしながら世を舞っているんじゃないかな。こわいこわい。
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よく考えてほしい。
なぜ、そいつは俺に「お前ダサいよ」と言ってくるのか。
俺にダサくない行動をとってほしいからだろう。
問題は、ダサくない行動=そいつの望む行動 の場合があることだ。
高校の頃、サイゼリヤにて。悲しい気持ちを思い出すが、紹介する。
「じゃんけんに負けたら、全員分おごりな~」
「俺、金ないから不参加」
「ださ!冷めるから、そんなこと言うなよ。ダサいぜお前」
みたいなやつだ。ダサくない行動=男気じゃんけんに誘う、が今回のケースだ。
高校の彼の手口は、何人かで出す手を決めておくというやつだった。
4人でじゃんけんして、3人は必ずパーを出す。
(パーは勝率が高い手で知られている)
すると、ハブられてる1人の全おごりになるチャンスが必ず発生する。
ハブられてる人がチョキで勝ったら、3人は後で割り勘にする。そういう手法だった。
ぼくは、毎度手が揃う3人を不審に思い、8連続パーを出し続け、8回あいこになったことで確信し、そのグループとは距離をとった。
4人が同じ手を出す確率は 3/81 。8回連続起こる確率は、0.00003%。ほぼ、落雷にあう確率と同じだ。
※ ちなみに交通事故にあう確率は、0.0003%で、僕のサイゼリヤの悲劇の10倍起こりうるということである。
サイゼリヤ代返してくれ。
みんなに、ダサいと言われた時の、おすすめの考え方を紹介する。自分を守る方法だ。
「範囲は明確に限定しよう!」だ。
例えば、研究成果がうまくまとまらず、教授に叱責されたとする。
その時に、ああ、俺はダメな奴なんだ、と考えるのではなく
俺の、今回の研究の進め方については、ダメなところがあったな。と考える。
これだ。
例えば、お前会話のセンスないよ、つまんない!と言われたとしよう。
その時に、俺って話つまんないんだ、コミュ障なんだ、と考えるのではなく
俺とお前との会話においては、盛り上がらないんだな。と考える。
これだ。
ぼくも、仕事があまりにもうまくいかないときがあった。
でも、あくまで、この職種のこの業務において、僕は上手くいっていない。
でも、それだけだ。
ぼくは素敵な家族がいて、居心地がいい友人がいて、安上がりな趣味がある。アルバイトは上手くできたから、お金が稼げないわけじゃない。
と、ダメな部分の範囲をとても明確にして、おまけにうまくいっている部分も丁寧に確認することで、折れずに済んだ。
「範囲は明確に限定しよう!」
ダサい、って言われたら、どの辺がダサいか詳しく聞いてみると言い。
そこで理知的に返してくる奴は大した奴だ。大切にしたほうがいい。
口数が多くて中身のない返しをしてくる奴がほとんどだろう。そういうやつには
「俺はお前のことが嫌いだ」
と言って、距離を置くことをお勧めする。
この世には、それダサいぜっていう人と同じくらい、それめっちゃいいねって言ってくれる人はいる。
折角だから、いいねって言ってくれる人と仲良くしたほうがいいよね。
★図書館に感謝額★
1600円(税抜き) 総額3000円